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裁判員体験記 「被告人質問」 ~vol.9~

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公判8日目・被告人質問(2)

12月16日(木)

公判8日目。この日も被告人への質問を行います。

印象に残ったのは、Bさんの事件に関して質問を行った時のことでした。
いつもの女性検察官は被告人に対して
「あなたはBさんの事件のあと、スマホに
俺がアホだった。女はいくらでもいる。一人に固執するからトラブルになる。ダメならダメで放流する癖をつけないと』というメモを残していましたね?」
(これはすごく気になる内容だぞ……)
わたしが思わず身を乗り出すと、主任弁護人が
「異議あり。これは事件に関連性のない出来事です。これ以上述べる必要はありません」
と異議申し立てを行いました。

A裁判長は両者の言い分を聞いた後で
「弁護人の異議を受理します。検察官は質問を変えてください
ああ、もっと聞きたかったのに。メモの真偽は謎のままとなってしまいました。

質問内容はBさんへの暴行に移ります。
「Bさんはあなたを何十発も殴ったと証言していますが?」
「確かにかっとなって殴ってしまったけど、何十発も殴ってはいません
女性検事は続けます。
「あなたは今までマッチングアプリを使って、何人ぐらいの女性と会いましたか?」
100人くらいです」
「その人たちとはどんな関係を持ちましたか?」
「大抵は性的関係を持ちました」
「その中で、今回のようなトラブルはありませんでしたか?」
「そんなにありません。1~2割ぐらいです

ちょっと待て。「100人の女性に会って、2割がトラブルになった」のが本当だとしたら、20人は同じような被害に遭った人がいるってことになるぞ。

被告人の爆弾発言を検察官はスルーし、審理はそのまま進みました。

法廷では現在起訴されている事件しか裁けないため、ここで余罪の調査をしてもどうにもならないのはわかります。

でも、ほかにも同じような目に遭った女性がいると思うと、なんだかもどかしい……。

続いて情状証人の論述。まずは青年の弁護人が

「臨床心理士の診断で、被告人はパラフィリア障害ハイパーセクシュアリティと診断されました。
また、被告人は高校生から現代に至るまで性衝動が強く、いわゆる『セフレ』が常に5~10人いたとのことでした」
と診断書を読み上げます。

セフレが常に5~10人いた? まるで嘘みたいな話で、うらやましいとすら思えません。

弁護人は続けて
「昔から被告人は衝動性が強く、自分を否定されるとキレることがあった。特に好きな人から人格を否定されると、不特定多数の女性と性行為を行うこともあったと証言しています」と述べました。

続いて臨床心理士が証言台に立ちました。それは女性の心理士で、少年刑務所や「性障害専門医療センター SOMEC」で働いているとのこと。

彼女の証言によると、被告人の問題点は「衝動性の高さ」や「女性への認知のゆがみ」であり

・アンガーマネジメント
・性教育
・薬物物療

などで治療できるのだそうです。

ただ、刑務所内ではこれらの治療を行うことができないため「可能なら早めに出所して、刑務所の外で治療を受けてほしい」と述べました。

ああやっぱり、「被告人は治療が必要だから刑期を短くしてほしい」という話になってしまうのか。

「治療は月何回、どれくらいの時間をかけて行いますか?」
「治療は月2回、一回のセッションは3時間ほどです」
「その治療にはどれくらいの効果がありますか?」
「性犯罪者に治療を行ったところ、再犯率が18%から10%に下がったというデータがあります」

治療は月に2回、再犯率が18%から10%か……。

今日もご飯がうまいぞ! 農林水産省

そしてお昼休憩。わたしは今日も「農林水産省 北別館」に向かいました。

頼んだのは「まぐろカルビ焼き御膳」。

「マグロでご飯は食べられるかな?」
試しに一口食べてみると、焼いたマグロはお肉みたいな味わい。そこに甘辛いタレが合わさって、ご飯がすすむこと!

しかも、魚肉だからさっぱりしていて脂っこくないのもいい! というわけでこの日も完食。

もう農林水産省以外でランチを取ることなど考えられないぐらい、ここの料理にハマってしまいました。

弁護人による被告人質問

午後の審理では、弁護人による被告人質問が行われました。弁護人が
「4人の女性の証言を聞いて、あなたはどう思いましたか?」と聞きました。
被告人は
「彼女たちの話を聞いて、『彼女たちがこんなに苦しい思いをしているんだって、初めて気づきました』」と述べました。
「彼女たちが何に苦しんでいるのか、正確に理解できていますか?」
「いえ、完全には理解できていません
「今、あなたが事件当時と同じ状況になった時、同じことをしないと言えますか?」という質問には、
「いえ、また自分と相手で違う認識の行動をとってしまう可能性があります」とのこと。

続いて裁判員からの質問。わたしは被告人に対して
「今後、女性と接するとしたらどのように交際していこうと思いますか?」
と尋ねました。被告人はこちらを見ると
「今までは自分はモテると思っていたけど、そうじゃないことがわかった。これから女性と付き合うとしたら、どんなことでも相手の意思を尊重していきたい」という答えが返ってきました。

裁判員からの質問が終わったところで閉廷。

明日は情状証人といって、被告人の母親が証言に立ちます。


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